2016年5月28日土曜日

予算との戦い~客間編~


いよいよスタートした家づくり。

最初から最後までつきまとった問題はズバリ、"予算"でした。


なぜなら、無謀にも私たちの予算は、そのエリアで建売を買えばおつりがくる、という程度のもの。

自分たちでも設計士さんにお願いする予算ではない、と重々承知していました。(その意味では、打ちのめされた設計士さんは正論でしたね。。)

ですので、様々なところでコスト削減の努力を惜しみませんでした。



ウィリアム・クライセルがパームスプリングスで分譲住宅を手掛けたときの逸話にこんなものがあります。

”キッチンの造作家具は引き戸を採用したクライセル。これは、蝶番などの金具を極力減らしてコストを削減するためだったという。
さらに、初期の家ではパームスプリングスの気候を踏まえて断熱材を無しとしたのも、大幅なコスト削減を目指してのことだった。”

ウィリアム・クライセル


住み心地とかっこよさを限られた予算で実現するにはそういった「いる・いらない」をしっかりと精査する、小さな努力の積み重ねが必要なんですよね。

クライセルの場合は分譲住宅なので塵も積もれば、、で大きなコスト削減になったと思われます。

私たちの場合はそんな小さな努力を積み重ねても大き目の塵くらいでしかないのですが、それでも、自分たちにとって必要なもの・必要ないものをしっかりと考えることができたので、無駄な努力ではなかったと思っています。


そんな、有能なデザイナーですら立ち向かった”予算との戦い”。

今回は「客間編」と題してお送りします。



さて、ローンの金額も土地の広さもまだまだ未定で夢だけがふくらんでいたときに私たち夫婦が思い描いていた家に入れたい要素はこんな感じでした。

・客間
・音楽室
・図書室
・書斎
・手芸や工作のワークスペース
・広ーい土間

などなど。


夢とはいえ無謀すぎます。


その後、限られた予算と土地でだんだんと現実が見えてきて、建坪を30坪に抑えるという最大のミッションを前に客間は真っ先に却下となり、広くない土間スペース(玄関)になり、、

音楽室などに至っては恥ずかしくて設計士さんにはとても言い出せず、納戸兼フリースペースとして作ってくれた部屋を自分たちで音楽室兼書斎兼作業室と捉えて現在使っています 笑
(この話はまた後日)



話がズレましたが、客間問題は多くの人が直面する要素だと思います。

リビングと続きになったエリアにふすまで仕切れる和室、というスタイルをよく目にするあたりから、それほど頻繁には使わないけど無いのは困るかも、、という気持ちが見えますよね。


私も実家が遠方、友人たちも遠方で、誰かが遊びに来る=泊りとなるので、気兼ねなく泊ってもらえる客間は必須条件でした。

それに、子供のころ海外文学にはまっていて、ベッドとチェスト、ちょっとしたテーブルとイスを置いて、絵を飾ったりアメニティを用意したり、、という「ゲストルームをしつらえる」というのにもずっと憧れがあった私。

家を建てるとなった当初は自分たちの寝室よりもあれこれ思い描いていたほどだったんです。

”日常”を排した部屋づくりができるのは、インテリア好きにはたまらないですよね。。


でも、一坪でも建坪を小さくする必要に迫られたとき、冷静に考えてみたんです。「年に何回、誰が泊りにくる?」と。


我が家の場合、地元の近い夫関係の人が家に泊まることはまず考えられません。そして、私の友人はほぼ都内住まい、私も気兼ねなく泊れる親類宅があるので、会うとなったら私が上京することがほとんど。

そうなれば、泊りにくるのは私の両親くらいになってきます。それも、こちらから行くことが多いので来るのは年に1・2回でしょうか。

さらに、親の年齢を考えると自分たちで車を運転して来るのもあと5・6年が限界かな、とも。(行けると言われても私がやめてほしいですしね ^^;)


そんなこんなを踏まえると、客間いらないかも?となってきたのです。


リビングの一角を畳敷き、というのも一瞬頭をよぎらなくもなかったですが、収納を減らしてでもリビングを広くとりたいと思っていたので、それもしませんでした。
一続きの空間といえども、床材が変わったら広さを感じにくくなるかもという心配があったのと、どうしても畳スペースがほしくなったら畳のマットも洗練されたデザインのものが出回っているのでそれでいいかな、と。




そうしてできた客間のない我が家。

この2年ほどで私の両親は数回、兄弟や友人も2・3回遊びにきてくれて、子供部屋となる予定の部屋をゲストルームとして提供しました。

味気も色気もないけど、、即席の客間。

息子が小学生になるまではこのスタイルでやっていけそうです。
小学生になっても、半分はまだまだ空き部屋なので、少なくともあと7・8年は乗り切れるかな。

(と書いていて嬉しい事実に気が付いた。10年近くあるならもっと作りこんで良いよね!?)


というわけで、我が家の場合は客間をカットして(今のところは)全く問題ないです。

追々どうしても必要、となったら万能スペースの納戸に、”兼客間”の文字も加えようと思います 笑


2016年5月17日火曜日

やっとスタートライン


設計士さんに打ちのめされ、でも土地は決まって図面を出す期限は刻一刻と迫ってくる、、、

そんな窮地に立たされた私たち。

出勤した私は、土地探しのときからあれこれ話していたミワさんにこの深刻な状況(というより、設計士さんとの一件の愚痴)を話しました。

すると。

ひとり紹介できる人がいるけど会ってみる?と。

救いの手はなんとカウンターの隣から差しのべられたのでした!



とはいえ、先の一件で設計士さんとの相性が大切だと痛感していた私は、わざわざ脚を運んでもらってお願いしないとなったら申し訳ないな、、とも思っていました。


ですが、それは杞憂におわります。


前情報で私たち夫婦と「なんだか雰囲気似てるよ」と言われただけあり、とても親しみやすい設計士さんで、”建築士の先生”に若干のトラウマができていた私たちには菩薩のようにすら見えるほど 笑

こちらの希望を伝えても「無理」とか「予算が、、」から入らず、「できる方法を考えてみましょう」と一緒になってイメージに近づけようとしてくれて、

「いい設計士さんと出会えてよかったね。。」

と二人で心底この出会いに感謝したのでした。






ちなみに私たちがお願いしたのはミッドセンチュリーハウスのパートナーでもあるJuDesignの髙橋さん。

宣伝みたいになってしまいますが、いちクライアントとして感じた印象をお伝えしようと思います。


髙橋さんは、前回の記事で言うところの「クライアントの家」を作ろうとしてくれる設計士さんだと思います。

私たちはピンポイントな要望が多くて全体像の目標が無いも等しかったのですが、
(【こんな家にしたいんです画像集】は、窓枠とその周囲がチラッと写っているものばかりでしたから、、汗)
趣味・嗜好などを加味し、こちらの希望や提案を受け止め、予算や使い勝手、全体のバランスを考えて、、、とても私たちらしい家をつくってくれました。


私も夫も自分の考えや要望を強く主張するのが得意ではないので、ささいなことでも言いやすい、言っても受け止めてくれそう、という人柄も私たちのような低予算・平凡土地の弱小施主にはありがたいところでした。


"先生"に委縮して自分たちの希望や疑問を半分も伝えられないんじゃ誰の家を作っているんだかわからないですからね ^^;

でも、低予算だったり土地が平平凡凡だったりすると庶民としては「なんだか申し訳ない、、」という気持ちになってしまうもので。

その点も髙橋さんは一緒に歩んでくれる感じで、親戚のお兄さんのような親近感と安心感があります。


2年近く経ったいまも、DIY時に相談にのってもらったり、

「こんな些細なことを忙しい設計士さんに相談しちゃダメなんじゃない!?」

と毎回申し訳ない気持ちを抱くのですが、髙橋さんの優しさに甘えてついついあれこれ相談してしまっています。。。

入居後1年くらいしてから外構の相談をしたことも、、、

そんなわけで、無事設計士さんも決まり、いよいよ(やっと!)家づくりのスタートラインに立てた私たち。

ここから、予算と理想の折り合いをつける、厳しくも楽しい戦いがはじまります!

2016年5月1日日曜日

間取りを考えるとき、何を思い浮かべますか?


土地関係の話が続いていますが、今日は我が家のリビングの主役について少し。


ミッドセンチュリーハウスで提唱している、家具からはじめる家づくり。

これは、空気感まで含めてトータルでよりかっこよく心地良い空間にしたい!という思いから。
それから、かっこいいビンテージ家具と出会って、「これを家に置きたい!置こう!」となったとき、間取り的に無理(涙)。となることを避ける狙いもあります。


後者の目的に関して言えば、ミッドセンチュリーな家やビンテージ家具に限らず起こりうる問題で、家具を販売しているなかで何度も目にした現実でした。


現代の日本の家具と家でも起こるこの問題。


それがアメリカやヨーロッパで、50-70年代に使われていた家具ですから、現代の日本の生活様式とは少しサイズ感や用途が違っていたりして、日本のお家では”帯に短したすきに長し”、みたいになることは多々あります。


ならば、せめて新築の際は泣く泣くあきらめることがないようにしたい!と。




家具からはじめる家づくりには、さらに大きなメリットがあります。


「あのソファに座って外を眺めたいから、この窓はこの高さで」とか、
「チェストの脇にランプを垂らしたいからここに配線が必要」とか、

置く家具やそれを使う自分や家族をイメージして家づくりすると、住み始めてからの満足度が断然違ってきます。
midcentury interior

後々になって「ここにコンセントがあれば良いのに!」とか「ソファに座ってもなんか視界がごちゃついていて寛げない」ということが起こりにくい。

もちろん住み始めてからじゃないとわからない部分もあるとは思うのですが、それでも余りあるメリットがあると思うんです。





我が家も、置きたいソファが頭の中にあって、それを置く前提で部屋の広さを決めました。


ソファが手に入るか全くわからない状況で、です 笑


ヴィンテージ家具の画像をみていて、一目ぼれしてしまったソファ。
家を建てるときはあれを置きたい、と秘かに憧れていたソファ。

Adrian Pearsall Sofa
エイドリアン・ピアソールのソファ

でも、自分たちの手に届くものなのかもわからないし、そもそもタイミング良く買い付けで見つかるかもわからないし。

最初に設計士さんがプランを出してくれたときは、そんな思いもあって胸に留めたままでいました。


何回目かの打ち合わせのとき、そろそろ詰めていく感じになったとき、思い切って言ってみました。


「3mほどのソファを置きたいと思っているんです。手に入るかわからないけど。」




そうして、我が家のリビングは3mのソファを置けるサイズになって完成しました。




もとのままの間取りでも、無理矢理置くことはできたと思います。
でも、実際に置いたときの余裕や全体のバランスは、やはりソファありきで考えた部屋サイズでないとダメだっただろうな、と。

ソファ以外にも、後々家具やランプが増えたり配置を変えたくなっても良いように設計してくれたおかげで、その後イージーチェアやランプが増えても

「置けない」
「コンセントがない」

ということもなく、時々配置を変えたりと楽しんでます。

(そしてまだまだ増やそうと目論んでいます!)



念願のソファも、当初のサイドボードと並行な位置から90度回転させたところに今は鎮座。

入居時はまだ子供がハイハイ~つかまり立ちの時期で、つかまって歩きやすい動線にしていたのを、歩き回り走り回るようになった最近は、サイドボードと垂直にして自由に動けるスペースを広くとりました。


これも3mソファありきで設計してもらったおかげです。




さらに、子供がいたずらしなくなったらソファのサイドテーブルにランプを置けるように、どっちの配置でもちょうどテーブル下に床埋めのコンセントがくるようになっていて、子供の成長にあわせてリビングの使い方もかえていけるようになっています。

エイドリアンソファとランプ
いつかこんな風に!


こうして憧れのソファを存分に味わうことができるようになっているのも、間取りの段階でこのソファを想定しておいたおかげだな、と。



イヤイヤ期まっさかりの子供と過ごす慌ただしい毎日のなかで、このソファにすわって(あるいは寝ころんで)、ひとり庭の木や草花をながめるのがリラックスするひと時。

そのうちサイドテーブルも子供のおもちゃから解放されて、テーブルランプやオブジェを置いて、、なんていう落ち着いたリビングの姿に変化していくんだろうな。

その時にまた、この間取りのポテンシャルが発揮されるのが楽しみです。